「SF教室」(2)

Tig


「SF教室」が30うん年ぶりに手元に帰ってきて、まず感じたのが
おや、こんなに内容薄かったっけ・・・。
やはり、中学生と今とでは、体力・学力・反射神経では負けてしまうが
読書力だけは積み上げた現在の方が優っているのかな、ふふふ。
しかしながら、おもに筒井康隆のであろう「SF読んで見なさい」という文章が
本当に濁りがなく、みずみずしく感じることには変わりない。
その熱意が「SF教室」を貫いている。
もうSF文学などというジャンルそのものが、オワコン的な現在を思うと
SF文学に対して感傷的にもなるし、逆に愛おしくもなるなぁ。

「SF教室」が子供心を離さなかった大きな理由の一つは
なんといっても、その図版の多さだった。国内外の作家の近影はもちろんのこと、
"AMAZING STORIES"や"ASTONISHING STORIES"など
往年のパルプ・マガジンの表紙や挿画もふんだんに掲載され、
その内容はわからなくとも、大いにイマジネーションが刺激された。
もちろんモノクロだけど、それで十分だった。
たとえば、上の挿絵はベスターの『虎よ、虎よ!』の有名な一場面。
のちのち宇宙の復讐談と知るまで、歌舞伎の隈取りか、マオリのタトゥのような憤怒の形相の男が
いったい何を思っているのか。ものすごく気になるイラストだった。

もう一つ、実は昔の本や雑誌では結構見かけたのだが
なんと、おもだった国内の作家先生の連絡先まで掲載されてたのよ。
個人情報の保護でやかましい現在ではちょっと考えられないが、
それだけ、読者との距離を縮めたかった熱い気持ちが伝わってくる。
繰り返すが、タイトルは「SF教室」なのだから。
で、送ったんですよ。ファンレターを。そのとき一番好きだった作家、星新一先生に。
記憶だと、好きです好きです、という手紙に、
写真をがんばって鉛筆で模写したイラストを同封して。
そしたら、忘れた頃にハガキでお返事をいただけた。
それにはサインとともに「勉強もがんばってください」みたいな一筆が添えられていた。
これは涙が出るほど嬉しかった。お忙しかったでしょうに。
このハガキ、どうしたかなー。捨てるはずはないし。
今度実家に戻ったら、本気で探して見よう。

星先生ごめんなさい、
その後、たいして勉強はしませんでした。

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