SF百科図鑑

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1980年くらいだろうか。
「サンリオSF文庫」なるSFシリーズが早川・創元と並ぶ位置に突然書店に並んだ。
前も書いたように、当時はSF映画やアニメが空前のブームだったのだが、
それに便乗した凡百のSF本とは一線を画す、これがあのキキララと同じサンリオなのか、
と目をこすこすしてしまうような相当にマニアックなセレクトで、
背のびしたがりな中学生の自分にとって、「サンリオSF文庫」を注目することが
(たとえ、たいして読んでなくても)
ちょっとしたエリート意識を満たしてくれる、一段高い存在であった。

まず作家がシブい。というか聞いたことない人が多い。カバーイラストもバタ臭くミステリアス。
でもって、結構お高い。ハードSF一辺倒だった当時の自分にとって目新しかった
サミュエル・R・ディレイニー、ロジャー・ゼラズニイ、ロバート・シルヴァーバーグ、
フィリップ・K・ディック、アーシュラ・K・ル・グィンなどなど
当時「ニューウエーブ」と呼ばれていたきら星のごとき作家陣が軒並みラインナップされ、
「サンリオSF文庫」を手にしてる、というだけで、かなりオトナな気分だった。

さて、この、世にも渋いSFシリーズの収録作家のことなぞもう少し詳しく知りたくなった折、
当のサンリオから「SF百科図鑑」なるフルカラーの分厚い本が刊行された。
これは、と飛びついて手にいれたものの、タイトルに偽りなく、
たしかに図版豊富な百科図鑑ではあったが、期待していたような親切な読書ガイドではなかった。
それはそれとして、さまざまなジャンルのSFのほんのさわりを知るにはよい羅針盤にはなった。

それから35年ほど経過。
思い出の引き出しの奥にしまっていたような一冊をまたオークションで落札。
「サンリオSF文庫」の古書価格が気絶しそうな高値がついてる中、
これはノーマークのようだった。状態がよいのに2000円としなかった。よしよし。
ぱらぱらめくるとごとに、あのころの思い出がよみがえってくる。
そして例によって世界の中心で叫ぶ、
「文字ちっさ!」
老眼にはきびしいのよ。

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